マイナーチェンジしたゴルフ8が登場
フォルクスワーゲンは1月24日、ゴルフ8をマイナーチェンジしました。ゴルフは、生誕から今年で50年を迎えた同社のベストセラーモデルで、各自動車メーカーのベンチマークとして高く評価され続けてきました。2019年に登場した現行モデルは8世代目にあたります。今回発表された新型は8世代目の改良モデル。年次改良を経てどんな改良が施されてきたのか、早速紐解いていきます。
参考記事:https://www.volkswagen-newsroom.com/en/the-new-golf-world-premiere-18074
内外装の改良
早速、ゴルフ8の外装デザインから見ていきましょう。
通常モデルのゴルフ、ワゴンモデルのゴルフヴァリアント、スポーツモデルのゴルフGTI、PHEV版のゴルフGTEと、異なる4つの意匠を持つ4つの仕様がお披露目されました。モデルごとに意匠が若干異なっているのが特徴です。
外装の主な変更ポイントは
・ライト類の刷新
・各種バンバーの意匠変更
となっています。早速細かく見ていきましょう。
先進性を強調するライト類の刷新
まず初めにライト類から見ていきます。
ライト類は、高機能LEDヘッドライト「IQ .LIGHT」をアップデート。ヘッドライトはよりコンパクト化し、従来の四眼タイプから二眼に変更。上級仕様には、最大500mの照射範囲を持つ高機能メインビームが組み込まれます。加えてテールライトは点灯パターンを一新。3Dの発光パターンを持つフォルクスワーゲンの最新モデルに準じたものに変更されました。
また、フロントエンブレムにLED照明が配され、先進性を強調しているのも特徴です。
新世代デザインの外装
次に、バンパーデザインを見ていきましょう。サイドやリアのデザインは細かな意匠の一部変更に留まりますが、マイナーチェンジで大きな変更が加えられたのはフロントバンパーです。
通常モデルのゴルフは、微笑んだように見えるバンパー形状を新たに採用。このデザインは先日発表された新型パサートやティグアンと共通になっています。どこか電気自動車のIDシリーズと似た雰囲気を纏っているのも特徴です。
一方で、スポーティーな装いが特徴のRラインや、高性能モデルのGTI、GTEは通常モデルとは異なり、水平基調のメッシュタイプのバンパーを採用。基本的なデザインは共有化しつつ、モデルごとにキャラクターの差別化が図られており、Rラインではグロスブラックのグリルが、GTIとGTEでは、X字型のフォグランプを配したハニカムグリルが特徴。こちらも他のフォルクスワーゲンの最新モデルに準じたデザインになっています。
デジタルアップデート、各部の質感が改良された内装
続いて内装の紹介です。
内装の主な変更ポイントは
・デジタルアップデート
・各部質感の改良
となっています。早速細かく見ていきましょう。
ゴルフ8の内装には、VW最新のインテリアアーキテクチャー「MIB4」が採用。ドライバー正面のデジタルメーターと、13インチの大型センタースクリーンから構成されるデジタルコックピットが特徴的です。
顧客の意見を取り入れ、使い勝手を向上しているのも今回のポイントで、なかでも特筆すべきは、音声コントロールのChatGPTシステムの採用。音声操作やコネクテッド性を改良したとのことです。
また今回のマイナーチェンジでは、内装の各部質感や操作性が向上されています。
具体的には、ステアリング周りのスイッチがタッチセンサーから物理ボタンに変更されていたり、エアコン周りのスイッチが改良されているなどが挙げられます。ステアリング周りのタッチセンサーやエアコン操作は、運転中に触れて誤作動してしまう恐れがあったり、直感的に操作ができないなど、顧客からの改良を求める声が多く挙がっていたので、これは良い改良と言えると思います。
この他にも、センターコンソールの質感がグロスブラックの素材に改められるなど、目に付きやすい部分の質感の向上が施されています。
車両構成とスペック紹介
ボディーサイズ
続いてボディーサイズの紹介です。ボディーサイズに関しては、マイナーチェンジで大きな変更はなく、意匠変更やグレードの違い等に伴う細かな差がでると予想されます。参考までに、以下の図は現行ゴルフ8(日本仕様)のボディーサイズです。
ゴルフ(ハッチバック) | ゴルフヴァリアント(ワゴンモデル) | |
全長 | 4295mm | 4640mm |
全幅 | 1790mm | 1790mm |
全高 | 1475mm | 1485mm |
ホイールベース(前後タイヤ間の距離) | 2620mm | 2670mm |
キャラクターが多岐にわたるグレード展開
続いて、グレードの紹介です。ゴルフ8シリーズのグレード展開は多岐にわたります。
まずは通常のゴルフ/ゴルフヴァリアント。ライフ(エントリーグレード)、スタイル(装備充実の上級モデル)、Rライン(スポーティーなデザインが特徴のグレード)と価格や装備に様々なグレードが展開される予定です。
続いて紹介するのはFFスポーツモデルのGTI/GTE。GTIはガソリンエンジンを、GTEはPHEVをそれぞれ搭載しているのが特徴です。また、これらのモデルにはヴァリアントの設定はありません。
加えて、四駆のスポーツモデルのゴルフR/Rヴァリアントも遅れて登場予定。先程紹介したGTIやGTEよりもハイパワーなエンジンが搭載、四輪を介して駆動するゴルフのトップスポーツモデルです。
24年半ばの登場を予定しており、現状では一部情報しか公開されていません。現行ゴルフRよりもさらにパフォーマンスが向上されると予想されており、こちらも期待が高まります。
また、搭載エンジンに関しては、グレード等の違いによりそれぞれスペックが異なるエンジンが搭載され、2種類のMHEV(eTSI)、2種類のPHEV(eHybrid/GTE)、4種類のガソリンエンジン(TSI/GTI/R)、2種類のディーゼルエンジン(TDI)と、合計10パターンのエンジンラインナップがあります(スペック等は省略)。
販売時期の予想
ゴルフ8のマイナーチェンジは、24年前半から中盤にかけて欧州で販売が順次開始される見込みとなっています。日本導入時期に関しては明言されていませんが、おおよそ本国での販売から一年前後遅れることを考慮すると、早くて25年の初頭から販売されると予想できます。
終わりに。新型ゴルフを見て感じる感想
今回は新型ゴルフの紹介でした。新型ゴルフの改良、皆さんは何を感じたでしょうか。現行の前期型が登場したのが2019年のこと。先代ゴルフと比較して内外装ともに大刷新され、一気にデジタル化した新しい時代のゴルフ、と私自身感じたのを覚えています。そこから約4年の時を経て改良された今回の新型。デジタル化をさらに推し進めつつ、デジタル化する以前のゴルフが持っていた使い勝手の良さが今回の改良でまた戻ってきたのではないか。私はそう感じました。
自動車のメートル原器として、自動車の基本軸を作り続け、時には既存の価値観や概念を壊しながら改良を続けてきたゴルフ。今回の新型が世界にどんな影響を与えるのか。注目せずにはいられません。
今回のマイナーチェンジ型が、内燃機関を搭載する最後のゴルフになると噂されています。電動化が急速に進み、車のあり方自体が大きく変わり始めたこの時代において、ゴルフがどんな活躍をするのか。一ファンとして見守りたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。また別の車でお会いしましょう。車好きのmahiroでした。
コメント